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「子供をもたない」が生む罪悪感の正体

ともに40代既婚、子ナシの3人が語りあった。②

「血のつながり」に縛られる日本人

吉田 やっぱり私たちの中に「血のつながり」みたいなものを大切にするベースがあるんじゃないですかね。

中川 「血」ってそんな大事なんですかね? というのも自分自身、親に会うのって多く見積もって年に1、2回なんですよ。実はうちの父親は俺が4歳になるまでは一緒にいたんですけど、4歳から11歳までインドネシアに住んでいて。それで13歳の時にはアメリカに行っちゃうんですよ。14歳で俺も渡米して18歳までは一緒でしたけど彼はアメリカにそのまま残り、その後はマレーシア、オランダに住み続けたので、以後一緒に住んだのは一時帰国していた社会人1年目だけ。だから父親と一緒にいた時間って一生のうち10年ぐらい。しかも3歳ぐらいまで記憶がない。そう考えた場合に、別に今親が死んでも全然悲しくないんですね。ホント、ホント。

 今大事に思っているのはやっぱり小学館で仕事をしている相手だったりとか、それこそ吉田さん、サンドラさんだったりする。あとは友達、そして一番大事な存在である妻。

 でも実は自分のいとことか全員どうでもいいんですよ。3年に1回ぐらいしか会わない姉もねぇ、死んだら死んだで悲しいけど別にどうでもいいんです。名古屋に行っちゃっているから。甥っ子もどうでもいんです。俺と妻が死んだ後の遺産は遺してやろうかと思うけど。産まれてからまだ5回ぐらいしか会っていないし。こういう「血はどうでもいい」思想っておかしいんですかね?

写真左から中川淳一郎氏、吉田潮氏、サンドラ・ヘフェリン氏/下北沢「本屋B&B」にて
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吉田 潮

よしだ うしお

コラムニスト

1972年生まれ。おひつじ座のB型。千葉県船橋市出身。ライター兼絵描き。



法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』、『Live News it!』(ともにフジテレビ)のコメンテーターなどもたまに務める。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より『東京新聞』放送芸能欄のコラム「風向計」を連載中。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』(KKベストセラーズ)、『くさらない イケメン図鑑』(河出書房新社)ほか多数。本書でも登場する姉は、イラストレーターの地獄カレー。



公式サイト『吉田潮.com』http://yoshida-ushio.com/



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  • 吉田 潮
  • 2017.08.26